「父がどこかに土地を持っていたらしい」——バブル期のリゾート開発地を探した話

バブル期のリゾート開発計画地の看板と、固定資産税の納税通知書・分譲パンフレット・公図 税務会計

先日から続けて、バブルの頃に買われたリゾート地の土地について、ご相談をいただく機会がありました。

いずれも、亡くなったお父さまが投資として購入されたものです。

※ご相談者が特定されないよう、内容は一部変えて書いています。

まず探していただくのは、固定資産税の通知

こういうご相談で、最初にお願いするのは「固定資産税の納税通知書が届いていないか、探してみてください」ということです。

通知書には課税明細が付いていて、そこに所在と地番が載っています。地番さえわかれば、そこから先の調査は進められます。

亡くなったあとも、名義がそのままであれば通知は届き続けます。郵便物の束の中に紛れていることが多いので、心当たりのある方はぜひ確認してみてください。

固定資産税の通知が来ない土地もあります

ただ、通知が来ないケースもあります。

山林などで評価額が低いと、免税点を下回って課税されません。課税されなければ、通知も届かない。つまり、手がかりが何も残らないのです。

「父が生前、〇〇県に土地を持っていると言っていた」——その一言だけが残っている、という状態です。実際、そういうご相談を受けました。

地番がわかったら、市町村役場に電話する

地番から現在の状況を調べる方法として、一番確実なのは市町村役場に電話することです。

ずいぶんアナログな話に聞こえるかもしれません。でも、これが早いのです。

固定資産税の課税台帳、都市計画や開発許可の記録、道路の状況。窓口の担当の方は、その土地のことを日常的に扱っておられます。ネットで調べても出てこない経緯を、電話一本で教えていただけることがあります。

登記情報はオンラインでも取れますが、そこに書かれているのは権利関係だけです。「今その土地がどうなっているか」は、登記簿には載っていません。

ケース1、開発の波が届かず、山林のまま残っていた土地

以前ご相談を受けた案件は、この調べ方がうまくはまりました。

固定資産税の通知が毎年届いていたので、地番はすぐにわかりました。役所に確認したうえで現地に行ってみると、みごとに山林のまま残っていたのです。

すぐ近くまで開発は進んでいました。おそらく、そこまでで止まってしまったのでしょう。だから課税はされていて、けれど土地は当時のままだった。

パンフレットに描かれていた「リゾート」は、どこにもありませんでした。

ケース2、手がかりは法事の席から。そして動画サイトで

もう一件は、固定資産税の請求も来ない土地でした。

当初は、県名しかわかりません。どうしたものかと思っていたところ、ご依頼者が法事の場で親戚の方から、購入当時の資料を手渡されたそうです。

その数少ない手がかりをもとに、当方で調査を始めました。役所調査でほぼ位置を特定したところまでは、順調でした。

問題は、そこから現地に行くかどうかです。遠方ですし、山林となると簡単に近づけるとも限りません。迷いながら調査を続けていたところ、なんと、その一帯の様子が動画サイトに上がっているのを見つけたのです。

こういう場所を訪ねて記録する方が、世の中にはいらっしゃるのですね。おかげで現地の様子はひととおりわかり、あとは粛々と事務処理を進めることになりました。

さすがに珍しい例ですが、調べ方はひとつではないということです。

見つかったあと、どうするか

所在がわかったら、次は名義の問題です。

相続登記は義務になりました。相続によって不動産を取得したことを知った日から三年以内に登記をしなければならず、正当な理由なく怠ると過料の対象になります。「価値がないから放っておく」が通らなくなったということです。

そのうえで、どうするか。売れるものなら売る。引き取り手が見つからない場合は、相続土地国庫帰属制度という選択肢もあります。ただし要件は厳しく、負担金も必要です。誰でも使えるわけではありません。

どの道を選ぶにしても、まず「どこにある、どんな土地なのか」がわからないことには始まりません。

わからない土地こそ、早めに手をつける

バブル期のリゾート開発地は、時間が経つほど調べにくくなります。

事情を知っている方が減っていくからです。買った経緯を覚えている親戚、当時の資料を持っている方。その世代がいらっしゃるうちなら、まだ手がかりが拾えます。次の代に持ち越すと、本当に何も残りません。

「価値がなさそうだから」と後回しにされる気持ちは、よくわかります。実際、調べた結果ほとんど値がつかないこともあります。

それでも、わからないまま置いておくより、はっきりさせておいたほうがいい。相続の手続きは、財産の中身が確定しないと前に進まないからです。

お手元に、心当たりのある古い書類はありませんか。固定資産税の通知でも、当時のパンフレットでも、手がかりはそこからです。

どこから手をつければいいかわからない、という段階でかまいません。お気軽にご相談ください。

土地が見つかったあとは、相続の手続きが始まります。必要書類の集め方をまとめました。

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