親子で学ぶ『ジャックと豆の木』にみるオカネの話

マインド

絵がきれいだなと思って図書館で借りてきたのですが、あらためて読んでみると、経済的な観点でも、子供に大切なことを教えようとしているんじゃないかなと思ったので、ちょこっと紹介します。

イギリスの昔話『ジャックと豆の木』福音館書店

あらすじ

有名な話なので、一度くらいはお聞きになったことがあると思いますが、あらすじはこんな感じです。

ジャックは三度、天の人食い鬼のところに行きます。一度目は金貨を一袋とってきますが、やがて使い切って終わってしまう。二度目は金の卵を産むにわとりを盗んできて、お金持ちになる。最後に歌う金の竪琴をとってきて、すんでのところで人食い鬼から逃げ切り、これを見世物として国中をまわり、貧しかった母子は幸せに暮らすというストーリー。

僕はこの話を読んでて次のような視点、それも今の大人もよく見落としている視点が入ってるなと感じました。

リスクとリターン

一つはリスクとリターンの観点です。日本でも「虎穴に入らずんば虎子を得ず」というコトバがありますが、人食い鬼のところにしのびこんでなにかを盗むというのは、落ち着いて考えると少しリスクを取りすぎている気もしますが、、、なにかを得るためにはそれ相当の危険を覚悟せよ、挑戦せよといっているように感じます。「虎穴」なんてトラの巣穴ですから、そこに入るってのも危険度でいえば相当なものですが。

とくに若い人は危険をおしても挑戦するってことが大切だと思うんです。若いからやり直しもきくし、これまでできなかったことができる場合だってある。こういう挑戦があることで社会全体が進歩していくんですよね。きっと!

「富」と「富を生み出すもの」

二つ目に、富は使い切れば終わるけど、それを生み出すものにより高い価値を見出している点がいいです。

例えばあなたは、今いくらのオカネをもらえば仕事を辞めて幸せに暮らせていけますか?
具体的な金額を考えてみてください。2000万円あれば足りますか?1億円必要ですか?
いくらあったとしても、徐々に減っていく感覚は幸せな気分とは程遠いものになりそうです。

一方で、毎月10万円が手に入る権利があるとすればどうでしょうか?なんだか幸せな気分がしませんか?
計算すればわかることですが、1年で120万円なので、先の1億円だと80年分くらいになりますね。

どちらに幸せ感を感じますか?
僕は断然後者がいいです。

子は親を越えていく

そして最後に、毎回心配して引き止める母親をよそに、ジャックは豆の木を登っていくことがオモシロイです。
こういう観点って、たとえば「桃太郎」とかの日本の昔話にはないような気がします。
もちろん、うまれたばかりの赤ん坊は全面的な親の保護を必要としますが、いつまでも親が子を上回るはずはなくて、例えば体力的に抜かされるものだし、新しいモノの適応能力という点でも遠からず子は親を上回ることでしょう。

子は成長する。それはわかっていることですが、親を軽々と越していくような子供を育てたいものです。もちろん、簡単に抜かさせはしませんが(笑)

まとめ

とくに僕が面白いなぁと思ったのは、親のいいつけを守らず成功するって話を、親が子に読み聞かせる絵本である点ですね(笑)。
こんな風に「冒険できる子」を育てることができたらステキだろうなぁ。

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