【税務調査の再開】個人所得税の申告について税務署から電話がかかってきたら

コロナ後

新型コロナでの緊急事態宣言などがあり、今年の春以降、税務調査はほとんどおこなわれていませんでした。
10月からは、一定の距離や換気などの対策をしたうえで税務調査が行われることとなりました。

日経新聞『コロナで中止の訪問税務調査、国税が10月から再開』(20.9.22)

税理士に依頼せず個人で確定申告をしている場合には、不安を感じることでしょうが、おおまかな流れを把握し十分に準備をすれば、とくに恐れるものではありません。

このブログでは基本的なところを説明します。
少しでも不安をやわらげることができれば幸いです。

おっかなびっくり!? 税務署から電話がかかる

調査がされる場合、まず確定申告書に書いた電話番号に税務署から連絡があります。
口頭で伝えられるので、しっかりメモをとるようにしましょう。

この電話の段階で次のような内容が伝えられます。

調査日程の調整
調査対象期間の連絡
その他要望事項

「日程」については、いくつか候補日をもらえると思います。
個人の調査の場合は、規模にもよりますが1日で終わることがほとんどです。

2週間くらい先のことが多いですが、都合のつかない場合には遠慮なく調整してください。
とはいえ、いつかかならずやるものですから、早めに終わらせた方が気持ちが楽になるかもしれません。

「調査対象期間」とは、どの年の申告書の調査をしたいかということです。
3年分くらいを対象にすることが多いです。

「その他要望事項」とは、例えば売上伝票を用意してくださいなどと言われます。
税務署が調査したい項目がわかることもありますので、重点ポイントです。

すべて見せるための準備をすればOK こわくありませんヨ!

調査を受ける場所を決める

まずは調査を受ける場所を決めましょう。これが意外と重要です。
応接室のようなところで、調査官が資料を広げてみることができる机を用意します。
なければ、ソファにテーブルでも構いません。
二人の調査官が来て、事務用ファイルを何冊も広げられるスペースがあれば十分です。
調査対象となる資料を全てこの部屋に集めておきます。

調査対象期間の資料を用意する

電話のでも言われますが、ざっと下記の資料を用意しましょう。

確定申告書
帳簿類
領収書や請求書などの資料
銀行の預金通帳など

まとめると、あなたが何をみて確定申告書を作ったのかわかる資料一式ということです。

調査前日(直前)にやること

調査を受ける部屋の机の上に資料一式並べる。
関係する資料については、あらかじめ用意して出しておく。
部屋に余分なものがあれば、片づける。
家の入口から、調査場所までを片づける。
(トイレも片づける)

片づけるといっても、常識の範囲内で大丈夫です。
まぁ、いかにも高価な絵画や置物を飾ってるというなら、それはどうかとも思いますが(笑)

調査の進め方を知り、用心すれば問題なし!

にこやかな雑談から始まります。顔で笑って心で・・・?

税務署の調査官って、どんな怖い人がくるのだろうかと思っていませんか?
たいていとても温厚で、話やすい人が多いです。
そして、にこやかに緊張をとくような雑談から会話が始まります。

ハイ、ここ! 注意してください。雑談からすでに調査は始まっているのです。

趣味や家族構成を聞きながら、事業用経費や家族関連の支出の混在がないかを確認しています
例えば、この前の連休はどうすごされてたんですか? といった質問に
「家族で〇〇温泉にいっていました」とか答えたら、
「あー、あそこはいい温泉ですよねー」とかにこやかに応じながら、
内心は、○○温泉に関連する領収書が事業用経費にまじってないかチェックしなければ、といった具合です(苦笑)。

雑談からすでに戦いは始まっていると認識しましょう。

事業の経緯や、オカネの流れについてのヒアリング

次に聞かれるのは、事業の経緯や、社長の経歴などです。
調査官は聞き上手ですから、ついつい、自慢話や苦労話をとうとうと語ってしまいがちですが、ここは、控えめに、聞かれたことだけ答えるようにしましょう。

例えば、大きなお金を動かした話などには、税務上の漏れがないかという視点でチェックされているということです。
まじめな人柄で「税金に関してはきっちり納めるようにしているんです」という態度が出る分には良いでしょうけれど、基本的にはあなたが話した内容について自分に有利に理解してくれることはないと心得てください。聞かれたことについてのみシンプルに答えるようにしましょう。

実際の帳簿や、領収書等の資料のチェック

前半戦でヒアリングした内容をもとにして、後半戦で実際の帳簿や領収書等がチェックされます。
場合によっては、コピーなどを税務署に持ち帰ることもあります。
先にも書きましたとおり、ここは堂々とすべて開示することをおすすめします。

「どうぞどうぞ、まじめにやってますので、全てチェックしてください」という対応です。

ただし、注意点をひとつ。わからないことを安易に答えないことです。
2~3年前のやりとりについて、聞かれてもすぐに答えられないのは、不自然なことではありません。
そこで、間違ったことをいってしまうのはよくないです。ごまかそうとしたと思われないようにしましょう。

後日回答するということで構いませんので、時間をかけてしっかり確認してください。

調査結果について報告をうけ、対応する

さて人間のやることですから、間違えることはあります。
ごまかしてやろうと悪意があるのは論外ですが、
誤解やカンチガイはあるものです。

税務調査とは、こうした間違いについての行政指導という意味合いもあるものですから、
指摘された事項について、納得できるのであれば、修正申告するといった対応をしてください。
(もちろん、納得できない場合には、そのままサインはしてはいけません。)
修正する場合には、修正申告の作成や納付の方法についても、やり方をおしえてもらえます。

まとめ

事業は継続してくべきものです。
税務署も関係者としてお付き合いしていくくらいの気持ちで、今後に活かしていきましょう。

最後に一言!
個人で税務署の対応をするのに疲れ果てた方は、
ぜひ税理士と契約を!
お待ちしております^^

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