老後2000万円問題って「ウチの場合はどうなのか」を考えるチャンスです【前編】

資産管理

老後には2000万円の貯蓄が必要ってホント?でも大事なことは「ウチはどうなの?大丈夫なのか!」です

新型コロナの騒動前のことですが、2019年6月3日 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書『高齢社会における資産形成・管理』の報告書が提出されました。2000万円も貯金できるわけがない!とか、自分で用意しろだなんて政府の責任放棄じゃないか、などマスコミでもけっこう大きく取り上げられたので、皆さまも記憶にあるのではないでしょうか。

ところで皆さん、この報告書そのものは読みましたか?
実は今でも金融庁のウェブサイトにpdfファイルが置かれておりこちらで読むことができます。
全部で56ページのpdfファイルですが、本文部分だけなら36ページ(しかも、カラー図表も多数あり)のボリュームです。僕は全部読んだ方が良いと思いますが、忙しい方は1章の「現状整理(高齢社会を取り巻く環境変化)」だけでも、あるいはそれさえ難しい方は、目次だけでもよいので、ぜひ一度目を通してみてください。日本の現状と将来について、楽観でも悲観でもなく、リアルな状況が記載されていると、僕は感じました。

この報告書について賛否が分かれる点は一旦置いておいて、この騒動を通じて資産管理に関心が向いたとすれば、有意義だったのではないかなと思います。
結局のところ大事なことはヨソはともかく、「ウチは大丈夫なのか?」ってことですよね!

リタイヤまでにいくら貯められるか、貯蓄はいつまでもつのか。3ステップでチェックしよう

老後資金については考える順番がとても大切です。まずは以下の3ステップで現状把握をしてください。

(1)家計の現状をチェックして月々の状況を把握します。そして、現状の収支が続けば「リタイヤ時の貯蓄」はいくらになるのか計算します。単純な算数ですね、残酷なほどに。。。
(2)リタイヤ後についても同様に検討していきます。毎月の生活費は現役時代より2~3割減少すると言われています(実際にはそこまで減らすのは結構難しいかもしれませんが)。年金等の入金予定額は送られてくる「ねんきん定期便」をみればわかります。届いてないならば、最寄りの年金事務所に問い合わせしてみましょう。
(3)上記の数字がわかれば、「リタイヤ時の貯蓄」が何年もつのかわかります。これまた、残酷なほど単純な計算です。

まずは、この数字を直視することがスタートになります。
後で投資や運用についても述べますが、まずどれだけの金額が必要なのかが決まらなければ、運用でどれだけリスクをとる必要があるのかが決められません。
(ましてや、運用で必ず増えるということはありませんので、まずは他の方策が必要です)

もうひとつの問題は、リタイヤ後の生活が貯蓄を切り崩していく生活になるならば、何歳まで生きるのかということです。この件についても、冒頭の報告書で述べられています。結論から言えば、平均寿命が伸びており、人生100年を前提にすべきとなります。

これで、ようやく検討を開始することができます。
おおよそ、寿命以上に貯蓄が持ちそうなのであれば、もうすこし今の人生を充実させてもいいかもしれませんね。
逆に、不足するのであれば、いくら足りないのか確認します。

蛇足ながら・・・。。
簡単に書きましたが、月々の支出額ってどうやって把握するのでしょうか?
きっちり、家計簿をつけていれば良いのですが、僕の家はできていませんでした。。。(苦笑)
そんな我が家が、どのように家計把握をしたのかについては、続編記事にしたいと思います。

その結果を見ながら対策をしていくのですが、どんな人にも一番効果的なのは、毎月の固定費を削ることです。次にできれば収入を増やすことです。すなわち、月々の収支を改善するということですね。
予定しているリタイヤの時期まで20年あるならば、毎月1万円の支出抑えることができれば、リタイヤ時貯蓄が240万円増加します。しかも、リタイヤ後の貯蓄減少も抑えることができて、一石二鳥です。
臨時収入で240万円というのは、なかなか難しいことですが、毎月1万円の支出を抑えるというのは、多くの家庭では可能な金額だと思います。
例えば、携帯電話を格安シムに変更するとか、つきあいで入っている生命保険を解約するなどして捻出しましょう。

間違っても、ウチは〇〇投資をしてるから大丈夫とか、▲▲保険に加入しているから老後は安心というだけで、思考停止しないようにしてくださいね。
計算してみると、かえって損していたという危険なワナもありますから。

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