年末調整の書類記入がムズカシイ、確定申告する方がカンタンかも

税務会計

はじめに

年末調整の書類を会社に提出する時期になりました。
毎年、困っている人が多いですが、今年の書類はさらに書きにくくなりました(泣)
そうでなくても毎年書類の記入が難しい。。。
正直いって面倒だ---!って人も多いはずです。

そんな人は、来年の確定申告をするのはいかがでしょうか?
え?そんなことできるの?? 確定申告の方が難しいのでは??
というのが一般的なイメージですよね。

年末調整と確定申告の両方した方が、楽にできるということをお伝えします。

注意!
 この記事では平均的な収入のサラリーマン家庭を想定して、条件を限定することでわかりすく情報提供することを目的としています。
正確な情報は国税庁「年末調整がよくわかるページ」などを参照し、各自の責任で実施ください。

理由1、確定申告の時期の方が資料がそろっている

本来、年末調整手続きは税務署に確定申告をしなくて済むための便利な手続きです。
とはいえ、ここ数年の税法改正で少々複雑になり書きにくくなっています。
特に下記の項目で悩まれる方が多いです。

配偶者の所得がハッキリしない

昭和の時代は専業主婦家庭が多く、働くといってもパートで少しだけという家庭が多かったわけです。

しかし現在では共働き家庭の方が多くなっています。年末調整の時点で配偶者の所得を記載しろと言われても困ってしまいますよね。。。。

確定申告の時期であれば、勤め先から源泉徴収票をもらうので、記載された数字を記入するだけですみます。

総所得金額がハッキリしない

今年の書類から増えた項目です。昨年までは全ての人について38万円の基礎控除があったのですが、今年から48万円に増額するかわりに、所得制限ができました。

これについて、年末調整で確認する欄ができたのですが、読みにくく書きづらいものになっています。ここは何らかの副業収入がある人が関係するのですが、これを記載するには問題が二つあります。

一つは会社に副業収入を伝えていないあるいは、伝えたくないという問題です。
この欄を記載することで、会社にばれてしまうのではないかという点について、すでにコチラで書きました。

もう一つは、年末まで金額が確定しない問題です。
年末調整を提出する時点で所得を予想して記入するって・・・けっこう無理いってますよね。。。

理由2、確定申告の方がシステムができあがっている

最近はオンラインで記入する会社も増えてきたようですが、まだまだ紙に記入して、会社に提出するところも多いでしょう。さて、この記入する紙ですが・・・税理士の僕が見ても書きにくいです!!

一方確定申告は国税庁が専用のウェブサイトを毎年立ち上げます。このサイトが良くできていて、指示に従って項目に入力していけば、確定申告書類を作成することができます。

例えば、上記の配偶者控除のところも、配偶者の源泉徴収票を見ながら入力すれば自動で判定してくれますし、各種所得を入力すれば基礎控除も自動で計算してくれるのです。

ウェブサイトで確定申告の方が、紙で年末調整よりカンタンです!

補足)自宅で確定申告をする場合には、下記の二つの方法があります。
1、プリントアウトして郵送
2、e-taxを用いて電子申告 (マイナンバーカードとカードリーダーが必要)

理由3、年末調整は確定申告で修正して問題ナシ

確定申告をする人であっても、会社での年末調整もやらなくてはなりません。では、年末調整で間違った場合はどうなるかといえば、確定申告で修正すればよいのです。
つまり、少々乱暴な言い方をすれば、会社での年末調整の書類については、とりあえず記入して一旦提出すれば良いのです。

なお、来年の給与からの源泉徴収(天引き金額)の計算に影響しますが、最終的には次の年末調整や確定申告で精算できます。

確定申告をする人のための、簡単年末調整の記入方法

上記の項目についてざっくり記入しましょう!

あなたの合計所得金額の見積額の計算欄

基礎控除を計算するための総所得については、昨年の源泉徴収票をみて昨年通りの給与額のみを記載しておきましょう。本年分の会社が支払った給与については会社側で確認できます(当たり前ですが)。

けれど、本当は副収入がある場合には、来年の確定申告で正確な数字を申告するのをわすれないでくださいね。(これも当たり前ですが)

配偶者の合計所得金額の見積額の計算欄

配偶者の所得については、あきらかに配偶者控除の対象であれば、そう記入しますが、迷うようならば控除対象配偶者の欄は空白にしましょう。

来年の確定申告時には、配偶者分の源泉徴収票も手元に用意して、国税庁のウェブサイトに入力します。差額がなければ、そのまま終了でかまいません。還付なら銀行口座を記入して受取、納付ならば期限内に支払いましょう。(コンビニ払いなどもできます)

なお、会社によっては家族手当などの支給を年末調整書類で判断している場合があります。
確定申告で金額に変化があった場合の社内手続きについては勤め先に確認ください。

年末調整の情報は「勤め先」経由で「税務署」に行きますが、確定申告は直接「税務署」に行くためです。

まとめ

けっきょく、確定申告だってややこしいじゃないか!

はい、残念ながらその通りです。ここ数年の改正でサラリーマンの税額計算もずいぶんと複雑になりました。

それはそれとして、僕個人の感想ですが、一般のサラリーマンがこの時期に会社で年末調整を行って、確定申告をしないという仕組みに、少々無理が来ているかなという印象を持っています。

また、これも個人的な見解ですが、サラリーマンも自分が支払う税について理解して、確定申告という手続きを上手に活用する方が良いのになぁと思っています。

今後、確定申告の時期に向けて、こうした記事も書いていきます。

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