この記事でお伝えしたいこと
先に結論を言うと
尼崎でいちばん大きな公園は、臨海部の工場跡地につくられている「尼崎の森中央緑地」(計画29.1ha)です。2位の水明公園は、計画の区域にボートレース場まで入っていました。上位の公園の多くは、工場跡地や防災・公害対策など、その時代の課題から生まれています。
こんな方へ
尼崎に住んでいる方、尼崎に家や土地をお持ちの方。公園の近くや、都市計画で公園の予定地になっている土地をお持ちの方。
分かること
尼崎の大きな公園ベスト10と、それぞれの成り立ち。尼崎の公園が全体としてどのくらいあるか。公園の予定地はどこにあるか。公園の予定地になっている土地の税金の話。
ランキングから見たい方はこちらからどうぞ。
今月から、尼崎のいろいろなものを並べてみる「尼崎ランキング」を始めます。
1回目は「大きな公園」です。毎日の散歩や子どもの遊び場として身近な公園ですが、大きな公園には、それぞれの時代の尼崎の事情が刻まれています。
面積は、尼崎市が公表している都市計画の資料(令和6年3月末時点)などから拾いました。
尼崎の大きな公園ベスト10
| 順位 | 公園 | 面積(計画) | 場所 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 尼崎の森中央緑地 | 29.1ha | 扇町(臨海部) | 工場跡地につくる「100年の森」 |
| 2 | 水明公園 | 14.3ha | 水明町 | 計画区域にボートレース場を含む |
| 3 | 記念公園 | 10.2ha | 西長洲町 | 陸上競技場・野球場などの運動公園 |
| 4 | 小田南公園 | 9.4ha | 杭瀬南新町ほか | 阪神二軍の新球場がある |
| 5 | 猪名川公園 | 約7.2ha | 椎堂 | 豊中市との境の自然林 |
| 6 | 西武庫公園 | 約7.1ha | 武庫元町 | 日本で初めての交通公園 |
| 7 | 元浜緑地 | 3.7ha | 元浜町 | 全国初の大気汚染対策の緑地 |
| 8 | 農業公園 | 3.7ha | 田能 | ぼたん・花菖蒲の名所 |
| 9 | 上坂部西公園 | 3.3ha | 東塚口町ほか | 都市緑化植物園 |
| 10 | 大物川緑道 | 3.1ha | 大物町ほか | 細長く続く緑道 |
(面積は都市計画上の区域の面積です。実際に開園している面積とは違うものがあります。武庫川・猪名川の河川敷は、性格が違うのでランキングから外しました)
上位の公園の成り立ち
1位 尼崎の森中央緑地(29.1ha)
臨海部の扇町にある兵庫県の緑地です。もとは神戸製鋼所などの工場があった場所で、産業構造の変化と阪神・淡路大震災の被害で工場が閉鎖されたあと、跡地に森をつくる計画が始まりました。
2006年に一部が開園し、2015年には大芝生広場が開園しました。種から苗を育てて森にしていく「100年の森づくり」として、いまも整備が続いています。
2位 水明公園(14.3ha)
ボートレース尼崎のすぐ隣にある公園です。驚いたのは、都市計画上の14.3haの区域に、ボートレース場の敷地まで含まれていること。実際に公園として開いているのは、そのうち2ha足らずです。
園内には、昔の阪神電車の路面電車の車両が保存されています。大物の記事で、浜田の球場が路面電車の車庫の跡だった話を書きましたが、ここでも路面電車の名残に出会えます。
3位 記念公園(10.2ha)
西長洲町にある運動公園です。陸上競技場(ベイコム陸上競技場)や野球場、総合体育館、テニスコートが集まっていて、市内のスポーツ大会の中心になっています。
4位 小田南公園(9.4ha)
1983年に日本で初めての防災公園として開園した公園です。2025年3月には、ここに阪神タイガースのファームの新球場「日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎」ができました。
5位・6位 猪名川公園と西武庫公園
猪名川公園は、市の北東、豊中市との境にある自然林の公園です。堤防からは、伊丹空港を離着陸する飛行機が間近に見えます。
西武庫公園は、1963年に兵庫県が開園した、日本で初めての交通公園です。信号機や道路標識があり、子どもの交通教育に使われてきました。約500本の桜でも知られています。
7位〜10位
- 元浜緑地:1991年に、全国で初めて大気汚染対策の緑地として整備されました。工場の多い臨海部と住宅地の間にある、尼崎らしい緑地です
- 農業公園:1983年開園。ぼたん園や花菖蒲園があり、季節ごとに花を楽しめます
- 上坂部西公園:都市緑化植物園のある公園です
- 大物川緑道:大物のあたりを細長く続く緑道で、面積の割に長い距離を歩けます
尼崎の公園は、多い?少ない?
尼崎市には約350か所の都市公園があり、面積は合わせて206ha(2022年)です。市民1人あたりにすると4.6㎡で、市の条例で目安としている1人5㎡には、まだ少し届いていません。
尼崎は市域の多くが市街地や工場で、大きな公園をつくる土地が限られてきました。上位に入った公園の多くが、工場の跡地や、防災・公害対策といった目的を持ってつくられているのは、そうした事情の表れだと思います。
公園の予定地は、具体的にどこ?
都市計画で公園の予定地になっているのに、まだ公園になっていない場所は、具体的にどこにあるのでしょうか。
たとえば猪名寺1丁目の佐璞丘公園は、自然林を残す公園として計画されていますが、整備が済んでいるのは約0.1haだけです。残りは、まだ予定地のままです。2位の水明公園も、計画区域にボートレース場が含まれていて、開園しているのは2ha弱でした。
一方で、予定地のまま長い間手つかずだった公園は、整理が進んでいます。尼崎市は2019年9月、36の公園と2つの緑地の計画を見直しました。
- 武庫之荘・潮江・浜田・蓬川などの公園は、まだ整備されていない区域をすべて計画から外しました
- 御園3丁目の西端公園、南武庫之荘11丁目の南守部公園、常吉公園、瓦宮の宮裏公園、武庫之荘5丁目の武庫公園は、全域が未整備だったため、計画そのものを廃止しました
新しい公園としては、2025年5月に、大庄西中学校の跡地の一部に南の口公園が計画されました。ただ、これは古くなった公園の建て替えにあたるもので、ランキングに入るような大きな公園の新しい計画は、いまのところ見当たりません。
尼崎の公園の予定地は、増えるよりも整理される流れにあるようです。
税理士の一言──公園の予定地になっている土地
公園そのものとは別に、知っておいていただきたいことがあります。
都市計画で公園の区域に指定されているのに、まだ公園になっていない土地があります。こうした土地には、将来公園にするために、建物の建て方に制限がかかります(大きな建物や、簡単に取り壊せない建物は建てられないなど)。
相続税では、こうした制限で土地の使い道が狭まっている場合、その分を評価で考慮できることがあります。どの程度考慮できるかは、土地ごとの判断になります。
また、公園の整備のために土地を市などに売った場合は、公共事業に協力した土地として、譲渡所得から最高5,000万円を差し引ける特例を使えることがあります。
先ほど見たように、尼崎市では計画が廃止されたり、区域が小さくなったりした公園があります。計画が外れれば、建て方の制限もなくなります。「昔、うちの土地は公園の予定地になっていると聞いた」という方は、一度いまの計画を確認してみてください。
ご自宅や相続した土地の評価について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。まずはお話をうかがうところから始めます。
出典
- 尼崎市:都市施設に関する都市計画(令和6年3月31日時点・PDF)
- 兵庫県:都市計画公園・緑地の見直し検証結果図 尼崎市(令和6年3月31日時点・PDF)
- 尼崎市:(仮称)尼崎市みどりの基本計画 素案(PDF)
- Wikipedia:尼崎の森中央緑地
- 日本1000公園:水明公園
- Wikipedia:西武庫公園
- Wikipedia:元浜緑地
- Wikipedia:尼崎市農業公園
- 猪名川公園(指定管理者のページ)
- 尼崎市:施設案内 記念公園
- 尼崎市:阪神間都市計画公園・緑地(長期未着手公園・緑地)の変更について
- 尼崎市:阪神間都市計画公園(大物公園・佐璞丘公園・南の口公園)の変更について
小田南公園にできた阪神二軍の新球場と、大物駅のまわりの地価については、こちらの記事で書いています。


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